2008-10-15

遠くの人と近くの人


先日作家活動をしている友人が
自分の作品を新しく出来たギャラリーに見てもらいにいった。

その友人は初めてあったギャラリィーの人に
こてんぱんにやられて帰ってきた。
その帰り道で、私に電話をかけてきて
“もう、泣きそうだった。”と

フンフンと話を聞きながら
実は私もそのギャラリィーの人と同じ思いも、もってるよと
伝えた。


いつかなにかにこんなことがかいてあったのを憶えている。
『遠くの人には本当のことを言っていいが
  近くの人には最善の注意をはらうように』
みたいなこと。
この言葉にはいろんな意味が含まれていると思う。

距離がある人や、
あまり親しくない人
日ごろ身近にいない人には
自分の意思をまんまぶつけてもいい。
それはそこから新しい友情だったり、
ビジネスや社会がうまれてくることもある。
もしくは、言ったところでその人との距離が助けてくれることがある。

近しい人には、ひとはやさしくする。
簡単に言えば嫌な思いをさせないためだったり、
その人との関係をこわさないようにするため。
うまく出来ていないモノでも、
その人との間柄でお世辞を言わなければいけない状況もある。
いつも近くにいるために、
その和をこわさないように努めなくてはならない状況もある。
その他いろんな形態が考えられるだろう。

そんな言葉を思い出しながら
この友人と話した。
〜いいことだよ。
 周りの友人は、あなたの作品を”いいね””すごいね”とは言うけれど
 どこがどうとかあんまり言わないよね。
 それに比べてそのギャラリィーの人は
 具体的に、ここはどうしてこうなった?
 なんでこんな作品になった?
 と、尋ねてきた。
 これは涙が出そうなくらい落ち込むことではなくって
 よく考えてみればとってもすばらしい、
 ステップアップのきっかけだよ。

見ず知らずのギャラリィに尋ねてきた一作家に
ここの人は本当のことをいったんだろうと思う。
これは信頼のおける言葉だと思う。
だって、その人はこの作家の友人を
憎んでいたり、恨んでたりして陥れようとしているんではないもの。
もっとよりいいモノを作れ!
という言葉の裏返しなのだから。

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