2008-12-20

恋するコンピュータ


『恋するコンピュータ』という本を書いた、黒川伊保子さんの講座を聴きに行って来た。
なんて素敵な女性なんだろう。
講座の時間は2時間半。そのほんの短い旅はあっという間に心地よく過ぎていき、
できる事ならばその三倍くらい、まだまだず〜っと滑らかで美しい彼女の話がきいていたかった。

彼女が唱える通り、本当に『言葉』って大事なものだなって思う。

彼女が言う、『感性』とは、脳の気分に気付く力。ふむふむ
感性が豊かな人は、●気分を言葉や造形、音楽などで表現できる。
         ●人の気分を察知でき、上手にフォローできる。
         ●市場の脳の気分を察知できる。(企画やデザインに向いており、一流デザイナー等がこの領域にいる)
この感性というものは、鍛える才能ではなく道具なんだそうです。

この感性を表現するものに、なくてはならない言葉。
ソクラテスも言ってるそうです
『美しい言葉とは、模倣の完成度の高い言葉』だと。
私たち日本人が話す言葉、
そのア行にもカ行にもマ行にも、イ段にもウ段にも科学的な根拠もふまえて
とても意味深いものがあるようです。

感じる言葉は、語感と実態が一致すると、とっても気持ちがよく
それは、年齢性別によって異なっており
時代の感性にあった語感は気持ちがいいんだそうです。

では、講座の中で聴いた素敵な事柄をお裾分け

『はい』が美しく言えない人は出世しない。
電光石火の早さの音の『は』
前向きの意思を伝える『い』

『ありがとう』
咽の奥までさらける『あ』
振動を重ねる『りがと』
内にしまい込む感じがする『う』
これらはこんなにも私の中に入りました、というなんともうれしい感謝の意味。

謝り方も習いました。
くわしくは黒川先生の本を読むなり、うけうりの私に尋ねるなりしてください。

あ〜おもしろかったぁ〜

2008-12-01

レヴィ・ストロースの庭


多摩美術大学の教授で写真家の港千尋さんをゲストに迎えての
”リベラルアーツ講座”なるものに行って来た。

初めて足を踏み入れた九州大学箱崎キャンパスの構内。
そこを歩く私たちは他の人から見れば、ものすごくおばかに見えているんじゃないか?とビビりつつ会場へ足を進める。

今回の講座のテーマは『映像の世紀から記憶の世紀へ』
はたして理解できる内容なんだろうか?

講座が始まる。

記憶というものは再生するものであり、
蛸壺化しているメディアの中で、感性をどう使っていくかを提議された。

この日、百歳の誕生日を迎えるという、仏の哲学者であり人類学者のクロード・レヴィ=ストロース。
彼の簡単な略歴から、話が始まり
その生きざまの中で要となってくる、ブラジル滞在。
その後のフランスでの日々。
そこに知性と感性によって、
人々がどんな風な歴史を刻んできたかをわかりやすく解説してくださる。

次に、モノクロという日本でしか使わない白黒の意味の言葉。
そのクロにあたる”クロマティック”の持つ二通りの意味。
それは色彩用語であり、音楽用語にもなる。
クロマティックから、話はどんどん膨らみ
港先生が体験した洞窟の話し、
ニュートンが発見した虹の七色の話し。

そして、講座が終わってから
鍋をみんなでつつきながら、こっそり教えてもらった
この、『レヴィ・ストロースの庭』に隠された秘密。

この日に聞いた数々の話しはあまりにもファンタジーで
私はメルヘンの世界に行って来たような気すらした。