2009-06-12

アフリカの旅


アフリカへの旅行
それも姉弟三人で。

かれこれ20年前だったら、よく三人でお出かけしてた。
でも、彼らもそれぞれに家庭をもった今では、あんまり無いこと。
ここは、多いに楽しまねば。

父から譲り受けたロレックスの時計に目をやれば
もう、お昼時はとうに過ぎてしまった。
”あ、その時計ねーちゃんがもらったんやねぇ〜”
マコトが、ポツッとつぶやいた。
ミノウは相変わらず、口数が少ない。
私の弟は年子で双子。
気がつけば、魔法使いサリーちゃんに出てくる三つ子の兄弟みたいに
三人ともお揃いのインディゴのTシャツを着てきている。
どうしたもんだろうか…


行く道先でライオンが獲物を食べている姿に出くわす。
あぁ、やっぱり本当にああやってムシャムシャと獲物を食べるのねぇ
と、妙に冷静に眺めている自分がいる。
大好きなゾウさんにはまだ出くわさない。

しばらくすると、目的地に着いたようで
前が少し禿げかかった、白髪で長髪、
上半身は裸で腰巻きのサロンをした、
もう長いことこの土地に住み着いているらしい日本人男性が
こちらへと、手招いてくれた。
木で出来たボロボロの家屋。
三階まで、階段をキシキシいわせながら上がっていく。
ガラスのない窓からは四方に赤い大地が見わたせる。


イタリアに住んでいた頃に
洗濯して干していたシーツを
真っ赤に染めるほどの濃い赤色を含んだこの土地の土煙は
シロッコという名をぶら下げて、遥か地中海を越えてトスカーナの丘まで
やって来ていたのだなぁと、ぼんやり思い出す。


ふと気がつくと、窓からの景色が変わっている。
ガタガタの床がきしみ、何が起こったのかよくわからない。
どうやら、この家と思っていたものは乗り物のようである。
大きなぼろぼろの木の固まりは
私たちを乗せてどこかへ向かっている。
まぁ、旅なんてなるようになれさと自然に身をまかせる。
辺りは暗くなってきた。


音楽関係の仕事につくミノウがエスコートしだした。
この木の家のような乗り物から降りて歩き出す。
なんだかガヤガヤしている。
お祭り?
ひとつの大きな建物に入ると、中は大きなクラブのようになっていて
ものすごい数の人がガンガンに踊っている。
が、暗くって黒い人たちばっかりなのであんまり様子がよく分からない。
あっという間にマコトは見えなくなった。
昔っからちょろちょろするタイプなので心配はあるまい。
ひとりで探索でもしているんだろう。


私は、ミノウのエスコートのままに会場を歩き回り
ひとつの建物の中を出る。
なぜにこんなところまで?
クロちゃんとチカちゃんが出店をしている。
チカちゃんと面識のあるミノウは子供のこと何ぞをネタに挨拶を交わしている。

そして次の建物へ。
どの建物も、普段はもしくは以前は教会として使っていたものだろう。
すごく天井が高くって、簡素なステンドグラスが月明かりに照らされている。


しまった、近くにミノウがいない。
そう、はぐれてしまった。
途方に暮れていると、遠くから黄色い声が聞こえてくる。
”キャァ〜、マコさんでしょ〜?!”
だれこれ?
黄色い声の四、五人の日本人女の子集団に囲まれてしまった。
勘弁してくれ。
適当に話しを交わしその場を逃れる。

あ〜.ミノウもマコッちゃんもどこへ行ってしまったんだろう…

ひとりの細身の男の子が私を見ている。
お互いに近づいていった。
”ここら辺をひとりで歩いちゃダメだよ。ライオンいるしね。
 ひとりで歩くときはやぎと一緒か、
 やぎがいるところまでなら歩いても大丈夫なんだ。”
”へぇ〜、そうなんだね。
 でね、私、弟たちとはぐれちゃったんだけど、どうしたらいいかな。
 乗ってきた乗り物も、見つからないの。”
”じゃぁ、ボクが送ってあげるよ。”
そういうと彼の傍らにあった、おんぼろのバイクを指差している。

彼の言うままバイクの後にのせてもらう。
私の行く先が、わかってるんだろうか?
ま、いいか、旅なんだし。

バイクの速度がゆるくなり小さな診療所のようなところにつく。
中に入るとそこは日本人が建てた病院らしく
日本人の写真が壁にたくさん掛けてある。
いくつかの病室を通り過ぎ
大きな部屋に辿り着く。
体育館のようなその部屋には処狭しとベッドが並べてあり丁度まん中くらいに、
マコトが寝かせつけられていた。
胸には小さな縫った後とわかる傷。
傍らにはすでにミノウがいる。
よかった、会えた。

マコトは電話機を握りしめて何やらしゃべっている。
”チョとだけでいいから、会いに来て。お願いだから!”
と、泣きじゃくっている。
きっと日本にいる家族に電話してるんだろう。
ちょっとの間の辛抱だよと心に思いながら眺めていたら



目が覚めた。

今朝方見た夢でした。

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