2008-11-18

武士のこころ


昨年幕末の情勢に興味を持ち、
中でも吉田松陰の生きざまに魅了された。
幕末の武士。
春に行った荒立神社で神主さんがしきりに私に棒術の話をされた。

近所の先生が、
すぐ近くの小学校の体育館で今度から開講しますよと
初夏に誘ってくださったのをかわきりに
古武術の棒術を少し習っていくことにした。

この歳になって
こんな風な習い事をするなんて夢にも思っていなかったのだが、
やってみると奥が深い。
稽古場では周りに段持ちのきりっとした諸先輩方々。
なんともかっこいい。
お稽古が始まるとなんとも気持ちが研ぎすまされ
精神が統一されだす。
以前習っていたお茶とおんなじ。
悩みや私的な考えはいっさい吹き飛ばされる。

さてこの武術がすこ〜しおもしろくなってきたところで、
剣の達人のことが少し知りたくなってきた。
本屋さんへ行ってうろうろ。
さて何を読もうか?
ふと手にとった一冊の本
吉川英治 『宮本武蔵』
私の頭の中にある彼の知識と言えば
“巌流島””剣の達人”…以上
どんな人なんだろう?どんな話なんだろう?
少し巻頭をパラパラめくってみる。

はしがきにこう書かれている
〜京都の桜の画家といわれた故K.U氏は、
 生活苦のはて、一家心中をこころにきめた日、
 たまたまその日の夕刊に、武蔵が浅間山を登る一章を読み
 死を思いとどまったのでしたと、

他にも著名な水泳の選手や、将棋士の方々が
この書のどこかを自信の精進に生かし得たと〜

読みたくなった。

二週間前に読み始め、
お店にいらっしゃるお客様が
くつろぎの時間に私を必要としない時には格好の読書タイム。
暇を見つけては読んでいる。

お店にやって来たウサギさんに
“今、宮本武蔵読んでるんだぁ〜”
と言うと、
“吉川英治の?何巻あったっけ?”
“8巻”

実家の母にも
“今宮本武蔵読んでるんだぁ〜”
”おもしろいでしょう〜
お母さんが、小さかった頃にはマンガも無かったからねぇ〜
宮本武蔵なんかをむさぼるように読んでたわよ。
毎回ワクワクしながらね。
今、どんなとこ?”

周りに読んでる本のことを即答してくれる人たちがいるのはとっても嬉しい。

この宮本武蔵というひと
かなりの男前。
私は軸がしっかりて、意志の強い男の人が主人公の小説が大好き。
過去に思い出されるのは
船戸与一のたくさんの本に出てくる主人公だったり、
檀一雄の”夕日と拳銃”に出てくる麟之介だったり…
武蔵も強い、
何度も何度も死にかけるのだが
その度に強くなっていく。
それは剣の腕が強くなるのではなく精神が。
無駄口を叩かず(叩くことができない)
人から罵られようとも食って掛かっていかない。
ただただ、剣を愛している。
そして人を憎まない。

そしてそこに寄り添う
なんともこころある登場人物たち。
読み進んでいくに連れ痛快。

舞台背景も行ってみたことがある
一乗寺だったり、鴨川のほとりだったり
三井寺だったり、高台寺だったり
あの道を武藏や小次郎やお通さんも歩いたんだなと思うと楽しい。

やっぱり日本のこころ
大和魂は
本当に美しいなと
凛としているなと思う。

私が棒術を楽しんでいるこころには
ただ、男勝りに強くなりたいのではなく
強い彼らのほんの欠片でもいいから
その神髄を覗いてみたいというところにあるんだろうと思う。

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