2020-11-20

2020年、島根への旅


 10月のある日に母から電話があり、お父さんがね足立美術館に行きたいな。パピコも一緒にって言ってるの。と 

ふむ、足立美術館といえば島根、以前出雲大社に車で連れて行ってもらったことがあったけどそりゃ遠かったことを思い出し、私一人の運転では到底無理だなと、東京に住む弟に相談してみると、二つ返事で快諾。

11/11,お昼前に福岡空港に到着した弟をピックアップし、牧のうどんで腹ごしらえをしていざ出発。高速からのぞむ中国道の紅葉の美しいこと。

御多分にもれず、高速でのナビに間違いを起こし道に迷ってしまい、境港の宿に19時過ぎに到着予定が、21時になってしまう。あ〜、風呂は?夕食は?

宿の方に大浴場があるスーパー銭湯的なものを紹介してもらうも、どう考えてもちと距離がありすぎる。もうこれは夕ご飯を先にしよう!と宿から歩いてすぐの居酒屋へいってみる。

なんと大当たりな居酒屋! 久しぶりに大変おいしいお魚を日本酒で堪能しました。家族全員こんなおいしいの久しぶりに食べたね〜と口々に言い合い、そりゃそうだよ、自粛自粛で我慢してきたもん〜


港町での朝の散歩。

向こうの通りは水木しげるロード。

宿の隣の喫茶店にて、モーニング。熊本出身の気のいいおばちゃんとボッコリヤンキーなお姉さん。私と栞ちゃんも傍目にはこんなふうに見えているんではないだろうか?と不安になる。


朝ごはんを済ませて、水木しげるロードをみんなで少し楽しんで、(朝早いからどこの店もまだ開いてない)いざ、足立美術館へ。


男おしんと言われた、足立全康さん。たった一枚の横山大観の絵が、彼を奮起させる。
確かに、大観の絵はこの美術館に飾られている他の作家の作品よりも躍動的で、それは陳列の順序からも窺えて、いい効果を奏している。
大観の作品がより映えるように、そして故郷への思いの深みがこの美術館の庭園のあり方を語っている。
ただ、美術館の横の安木節の会館とのバランスが残念だった。


お昼も過ぎたところで、出雲そば目掛けて出雲へ。
島根を東から西へ横断。弟が探し出したお蕎麦屋さんがこれまた絶品。
旅でのご飯は、大事です。
大正天皇だったかな?にも献上されたお蕎麦。



お腹が満たされたところで、出雲大社へお参り〜


旅のミッションはこなしました。
さ、帰路へ。


壇ノ浦でフグチリ鍋セットを買って、大急ぎで帰るも22時は軽く過ぎてました。
もうみんなでバタバタお風呂の準備をしたり、ご飯の用意をしたり。二日目の昼からんこ出てなかったパピちゃんも、帰って来ていつもの公園に行ったらポロリンコ。

座敷に敷いた布団のところへ行くと、弟の布団に丸まっているパピコ。

翌日、弟を空港まで送って、ちょっと実家で一休みしてから糸島に帰ろう〜ってところで実家の母と大喧嘩!(これは誰に話しても大笑いされる。旅行あるあるでんな。)

また、家族みんなでどこかにいけますように。










2020-10-22

そうちゃんのやりたい事



毎年の年末年始は実家に帰るようにしている。元旦は、家族とともに薫とえりちんとこの友達家族もやってくる。2件ともシングルマザー。
薫のところは看護婦さんになりたい高校生のタマちゃんとサッカー少年のそうちゃん。旦那さんは、3.11の前日に出て行ってそのまま帰ってきてない。
えりちんとこは、私立の中学校に通うまよちゃん。旦那の茅葺き職人だったそわかは3年前の夏にあっけなく屋根より上まで登って行ってしまった。

まだそわかが今世で茅葺き屋根職人をしていた頃、うちの実家とそわかの実家が歩いて行けるほどの距離だということに気づき、元旦の日の酔い冷ましにと たまちゃんそうちゃんに姪っ子たちも伴って犬の散歩に出かけた。そわかに電話してみると、100メートルほど先の小道から元気な顔が見えた。
「おめでとう」
「おめでとうございます。」
「うちに来て飲まない?」
「いいね、おじゃまする。」
正月に実家で飲むのは恒例となり、お互いに出会えるのを楽しみにしていた。

立春がすぎたころ、薫からこんな話を聞いた。
中学2年生のそうちゃん。間も無く学校である立志会で提出する作文がなかなか書けない。
「たまちゃんはなんて書いたの?」
「あのこは、その時から看護婦さんになりたいって言ってたわよ」
「僕、まだやりたいことなんて思いつかない。先生にそう正直に言って書いていいですかって聞いたら、ダメって言われた。とにかくなんでもいいから書きなさいって。」
この作文で生徒一人一人の進路の方向性を先生たちが考える材料にするらしい。

「ねぇ、ママ 僕 建築とかが興味あるかな?」
「え?そうちゃんが建築?ゼネコンとか?なに?どんな感じの建築?」
「あの、ほら宮大工とかっていうと? あのそわか君みたいな仕事。」
「茅葺き職人?」
「それそれ!僕、あんなのがかっこいいと思う。」
「へぇ〜!じゃそのことを書いてみたら。」

小学生の頃、2回元旦にそわか君に出会っただけのそうちゃん。
最後にそわかくんを見たのは、お葬式の時に流れていた彼の茅葺き職人の頃のビデオ。
また、来年の元旦に会うのが楽しみだね。